カリカリの鉄塔

逃げ切れない

2022/04/16 隣の家の冷蔵庫は覗けない

実家に帰った。

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モッコウバラが最盛期を迎えていた。

 

黄色い花は好き。

ヤマブキのオレンジがかった黄色も、モッコウバラの優しい黄色も、スイートピーの人工的なネオンイエローも。

 

母と二人、実家の近所をだらだらと散歩する。

共通の話題になる、自分や家族の話をぽつぽつとしながら。

 

わたしは母が苦手だ。

尊敬しているし、感謝もしているし、愛してもいる。

それと同じくらい、受け入れがたい部分や、許せない過去もある。

それでも離れられないのは”家族”だからだ。

わたしも母も、どれだけ憎みあっても、結局最後には家族だから許してしまう。

そして、お互いに相手がそう思っていることも知っている。

絶対に自分を見放さない相手というのは、どうしたって捨てることができないのだ。

 

ほとんど散ってしまった桜の代わりに、枝垂れ桜がきれいに咲いていた。