最近読んだ本まとめ
GWに読もうと思って積んでいた本をようやく読みきった。
集中力が落ちたのか、本を読んでる途中で目が滑って内容が頭に入らなくなることがときどきあって、これは加齢の影響なのか、しばらく読書をしていなかったからなのか、判断に困っている…。
家族とは、血なのか記憶なのか。
よく題材にされるテーマだけど、この終わりは……という感じ。
母親の、主人公に対する仕打ちが、余計に主人公の”帰ってきた万佑子ちゃん”に対する葛藤につながっているのかな。
血を取るのか、一緒にいた記憶を取るのか、二つの家庭がそれぞれの選択をした結果、こういう結果ももちろんありえるよな、というのがわたしの感想です。
つらい。
2冊続けて湊かなえ。
小さな島を舞台にしたオムニバス。
狭いコミュニティ特有のいやらしさが詰め込まれたなんともいえない話ばかり。
短編と知らずに読み始めてしまったので、物足りなさは否めず。
はじめましての橘玲さん。
金融ミステリー?になるのか。
この作者は金融関係に造詣が深い方のようで、好きで書いてるんだな~というのが伝わってくる感じ。
自分の好きな分野の話になるとペラペラしゃべりだすオタク特有のアレを綺麗に物語として落としこんでいるような印象。
専門分野の話が多く出てくる上にそこそこ分厚い本だけど、ほどよくスピード感があってさくさく読めた。
なんとなく雰囲気が映画っぽいというか、映画を小説家したような感じがするのはスピード感があるからなのか、(主に女性の)キャラクターが非現実的すぎて魅力的に感じないからなのか。
ものすごく失礼な話だけど、箸休めとして雰囲気小説も読もうと思って手に取ったこれ。
最初の数ページからは想像できないくらいしんどくて、端休めどころか今回読んだ本の中で一番ダメージを受けてしまった。
かなり優しい、女性的な文体で、書いている内容はほとんど暴力に等しい。
これを恋愛小説というくくりで語るのはおかしい、と思う。
なにひとつ自分で選んだことがない、その事に気づくこともなく、流されるまま生きている人間がだんだんと狂っていく。
初めて恋をして、自分の意思を持つようになってハッピーエンドのようにも見えるけど本当にこれはハッピーエンドなのか。
初めての恋でようやく自分の意思を持ったところでそのとき彼女は30代半ばで、社会からほとんど断絶されているような状況のまま、唯一の友人はいるけど彼女は本当に友人と呼んでよいのか、いろんな感情がわいて情緒がめちゃくちゃになるのはわたしが彼女と似ているからなのか。
社会と関わり続けないとわたしもこうなる、という現実的な未来図を見せられたようで非常につらい。
こうはならない、と思える人には純粋な恋愛小説に見えるのか…悲しいね。
物語が始まってから~70%くらいのところまでは、とにかく何かが歪んだ世界を描いた古典風ファンタジーを読んでいるような気分だったけど、終わりにかけての物語の収束っぷりがすさまじい。
わたしにはこの文体がどうしても読みづらく、この形で書く必要はあるのか?と疑問に思いながらしぶしぶと読んでいたけれど、終わりにかけての怒涛の展開でそんな些細なことを気にしてこの物語を読むのをやめなくてよかった、という感じ。
植物のむわっとした生々しい生気を感じる描写、根本的なテーマとしての生と死、重たい文章でも読後はすっきりする感じが梨木果歩さん独特の部分だと思う。
幼虫が蝶になるときの幼虫のはしばらく頭に残りそう。
橘玲さん、川上未映子さんの作品は始めて読んだのまたいくつか読んでみたい。
久しぶりにわっと本と触れ合ったので、なんとなくペースがつかめていないというか、読書をする体(脳?)にチューニングできていない感じがするので、今後も継続して本は読んでいきたい。